動物の眼科疾患には、白内障や緑内障のように人と同じような病気もあれば、犬特有さらには犬種特有の疾患もあります。
例えば、シーズーやパグなどの短頭種では露出による角膜傷害が眼科疾患の大半を占めます。お家のペットにも犬種特有の眼科疾患があるかもしれません。予防できる場合もありますので一度ご相談ください。
動物は人ほど視覚に頼っていないといわれておりますが、急に失明するような疾患では震えて動かなくなったりすることもあります。病気を早期発見することで視覚を取り戻すことができる可能性がありますので、定期的な眼科検診をおすすめします。
毎週月曜・水曜・木曜に眼科の高度治療・診察を受診することが可能です。
高度眼科手術にも対応可能な獣医師が診察します。
獣医師やスタッフにお気軽にお問い合わせください。
診察日:毎週月曜日・水曜日・木曜日
診察時間:午前10時~午後5時まで
費用:再診料(880円) 高度眼科診察費(2,200円)
目の健康診断のお知らせ
わんちゃん、ねこちゃん達も、さまざま目の病気になります。
加齢によってかかりやすくなる白内障などはよく知られていますがそれ以外にも、犬種によってなりやすい目の病気や、若くてもかかりやすい目の病気があります。
当院では、目の健康診断を受診いただけるようになりました。目の大きな子や目の乾きやすい子、逆まつげになってしまいやすい子には特におすすめいたします。
スタッフにお気軽におたずねください。
◆ 毎週月曜・水曜・木曜は眼科高度診察治療日です。
完全予約制ですので、ご予約をお願いします。
◆ 健康診断コースのご紹介 ※下記価格は税込価格です。
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お気軽コース
・眼科神経学的検査
・スリットランプ検査
・眼圧測定
・眼底検査(散瞳なし)
お手軽に目の健康診断を
受けたい方におすすめ6,600円
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基本コース
・眼科神経学的検査
・涙液量検査
・スリットランプ検査
・眼圧測定
・散瞳による眼底検査
基本的な目の健康診断の
項目を含んでいます9,350円
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しっかりコース
・眼科神経学的検査
・涙液量検査
・マイボペン検査
・スリットランプ検査
・隅角検査
・眼圧測定
・散瞳による眼底検査
しっかりした目の健康診断を
ご希望の方に12,100円
※別途、再診療 880円、眼科診察費2200円が必要となります。
その他、白内障コースやオプションもございます。
犬種・猫種や年齢等により、検査項目をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。
まずは一度ご相談ください!
高度眼科治療を担当している池上 千尋です。
眼科を受診する犬や猫の症状は人間とほぼ同じで、目の傷や結膜炎、白内障といった一般的に知られたものから、網膜や視神経の疾患で受診する動物たちもいます。
眼科は早急に命にかかわる問題は少ないかもしれませんが、目が見えない(見えにくい)ことは日々の生活の質に大きく関係してきます。
また、大変そうな動物たちを毎日心配しながら看病する飼い主様にも大きなストレスが出てくるのではないでしょうか。
私たち獣医師や診療スタッフは、動物たちの治療はもちろん、飼い主様も安心していただけるよう常に考えています。
『こんなことを聞いて良いのかな?』
『質問するのが恥ずかしい、、、』
そんなことは思わなくて大丈夫です!
些細なことでも気になることがあれば話して欲しいと思っています!
チームワークで目のことだけでなく動物たちの体全体のことをしっかりと診ていきます。
一緒の方向に進んでいけるよう、全員で頑張りましょう!
早期受診をおすすめします!
概ね人間と同じ目の疾患を持つ犬や猫も、出来るだけ早期に処置をした方が良い結果につながることが多いです。
『白目の部分が充血している』『黒目の部分が白くなってきた』『片方の目だけ目やにや涙が多い』『目の開き方が左右で違う』『夜のお散歩時にあまり見えていない?』、、、etc
目の疾患は進行してから見つかることも多いので、毎日顔を合わせる動物たちの些細な変化が見られた場合は、一度受診をしてみてください。
眼科では症状が出ている側だけでなく、両目の検査をしっかりと行って見落としがないように努めています。
また、目の構造は分かりにくいので、飼い主様には模型を使って説明するようにしています。
眼科診察は比較的時間がかかり、動物もストレスを感じます。
出来るだけ時間をかけ過ぎないような配慮もしながら、丁寧に診察をしていきますので、『おかしいな?』と感じた段階で受診いただけると、早期発見の可能性が広がります。
安心していただけることを第一に
眼科の専門治療が可能な動物病院が多くない中で、大切な犬や猫を連れてきた飼い主様の心配なお気持ちに十分配慮して、可能な限りコミュニケーションを取らせていただいています。
心配なことがあればすぐに聞いていただける、話しやすい環境作りを意識して獣医師の先生や他のスタッフとも十分な意思疎通をはかっています。
獣医師の先生方は、検査をしっかりと行い全体を把握したうえで、目の模型を使った構造の説明のほか、足りない部分は絵を描いて分かりやすく説明し、言葉で伝えるだけではなく必要に応じてメモを渡したりしています。
聞きやすく丁寧に説明をしていますので、是非お気軽に相談をして欲しいです!
目の健康診断について
コースは3つありますが、飼い主様と獣医師が相談しながら決定します。
獣医師やスタッフが勝手に決めてしまうようなことはありませんので、ご安心ください。
診断結果には目の写真も添え、現状と今後の違いが分かりやすいシートにまとめてお送りしますので、是非一度お問い合わせ下さい!
白内障
白内障とは、眼球内にある水晶体のタンパクが変性し白濁する疾患です。ゆっくり進行するものから1週間程度で水晶体破裂をおこすものまで病態は様々で、進行すると失明するだけでなく緑内障など疼痛を伴う合併症を併発する危険性があります。治療は通常外科治療が第一選択となりますが、状態により内科治療を選択する場合もあります。
核硬化症
白内障とよく似た疾患に核硬化症があります。これは動物の加齢により水晶体内の密度が増し、中心部分の水晶体線維が硬くなる生理現象です。犬では6歳頃より始まり、水晶体中央部にリング状の白濁がみられます。大きく視覚を損なうことはなく治療の必要はありませんが、白内障が混在することがありますので定期的なeye checkをおすすめします。
緑内障
網膜・視神経が変性し眼圧が上昇する疾患です。人では眼圧が正常にも関わらず網膜・視神経の変性をおこす正常眼圧緑内障が多いのですが、犬・猫では眼球内の構造上の問題もあり通常眼圧が上昇します。他の疾患(眼科疾患、非眼科疾患)から二次的に発症する続発緑内障もあり、緑内障を発見した場合、全身を精査する必要性があります。通常、罹患した動物は疼痛により眼の充血、眼瞼痙攣、流涙、散瞳を示します。放置すると失明する可能性がありますので、これらの症状がみられたらお早めに動物病院にご相談ください。
網膜剥離
網膜は眼に入ってきた映像を脳に伝達する役割があり、カメラのフィルムのようなものです。網膜は薄く、眼球に強固に接着していないため容易にはがれます。一度はがれると再接着は困難で、たとえ接着したとしても視覚を温存することは難しくなります。網膜剥離を起こしやすいものとしては、頭部外傷、眼内炎、白内障、高血圧、好発犬種などがあります。特に頭部外傷では犬同士の喧嘩が多く、外傷は見当たらないが網膜だけ剥離しているというケースも多いため、頭部外傷の場合は眼底検査をおすすめします。
角膜潰瘍
角膜は眼の一番表層に位置し、外部からの刺激を受けやすい組織です。角膜は通常涙膜(涙液・粘液・油分の混合膜)によって守られ、まつ毛やまばたきによって異物を排除しています。ドライアイや眼瞼の異常などで角膜の保護ができなくなると角膜に小さな傷が入ります。そこに細菌が感染することで急速に角膜が融解し、最悪の場合1日で角膜穿孔に至るケースもあります。ドライアイの好発犬種や短頭種などの角膜露出の多い犬種が眼をショボショボしているときは一度ご相談ください。
涙器の異常
涙膜を構成する成分として、涙腺から分泌される涙液、マイボーム腺から分泌される油性成分、角膜上皮や結膜杯細胞から分泌される粘液の3種類があります。これらの分泌が低下することで量的・質的ドライアイが起こります。涙膜の機能低下により角膜の状態が不安定になると、角膜が混濁し見えづらくなります。A・コッカー、ヨーキー、短頭種などで目やにが多いと思ったら一度ご相談ください。
眼瞼の異常
眼瞼の異常は眼科疾患以外からも発生します。眼瞼内反症として多いのは皮膚病です。眼瞼皮膚が炎症のため腫れて、瞼板と呼ばれる靭帯が内側に曲がることで皮膚が角膜にあたり刺激になります。眼瞼外反症は、甲状腺機能低下症などで眼瞼が下垂することでも起こります。猫ではスコティッシュやアメリカンショートヘアーが眼瞼内反の好発種です。
シルマー涙試験
試験紙を使って1分間に分泌される涙液の量を測ります。通常、犬は1分間に15mm以上分泌されるのが正常です。5mm/分以下になると重度のドライアイと診断され、治療による改善率は著しく低下します。
マイボーム腺検査
赤外線スコープを使ってマイボーム腺の構造を観察します。
角膜染色試験
試験紙を使って角膜を染色します。フローレス試験紙は角膜の傷を染め、ローズベンガル試験紙は上皮の壊死などを染めます。
細隙灯
角膜〜硝子体前部までの構造の異常を検出します。白内障は通常これを使って検査します。
眼圧測定検査
緑内障では上昇し、眼内炎では低下します。
眼底検査
網膜、血管、視神経を観察します。
隅角検査
房水の出口である隅角が狭くなっていないかを検査します。緑内障の発症リスクを検討する際に行います。
網膜電位測定
当院では白内障の手術適応かどうか、進行性網膜萎縮、後天性突発性網膜変性症候群を診断する目的で行います。
超音波検査
眼内腫瘤の観察や水晶体のサイズや位置の変位をみる際、混濁のため眼底部が観察できない際に使用します。